
はじめに
よくイラッとしてしまうことありますか?
人に嫌なことを言われた時、不躾なメールを見た時、人に足を踏まれたり、押されたりなどなど。
このイラッとしたとき、どう反応するかは思考の習慣です。
言い返してしまう、怒りのメールを返してしまう、キレる、あるいは飲み込んでストレスを溜めこんでしまう、冷静に考えを伝えるなど、自分のパターンがあるのではないでしょうか。
また満員電車にゲンナリしたり、憂鬱になったり、プレゼン前に緊張するなどというのも心の反応の習慣です。
わたしたちの心はいつも反応していて日常はその反応で作られています。
その反応からストレスを感じたり、余裕がない状態になって悩みになっています。
ムダな反応をしない習慣
草薙龍瞬著の「反応しない練習」では、あらゆる悩みは「心の反応」から始まっているとし、ムダな反応をしないことが悩みの根本的な解消になると説いています。
ムダな反応をしないことのポイントは2つです。
1つは、判断をしないこと。
物事の善し悪しを判断するのは人にとって分かった気になって気分が良い行為だとのことです。
ただし、その判断は、自分の決めつけや思い込み、一方的な期待や欲求であり、「正しい理解」ではなく、自分の「妄想」にすぎないとしています。
ここに執着すると悩みにとらわれます。
もう一つは、相手の感情をダイレクトに受けとめないこと。
イメージとしては、心の半分を前に、もう半分を後ろに使うようにします。
心の前半分は相手の言い分を否定するわけでもなければ、相手を説得するのでもなく、ただ理解することに使う。
そして、心の後ろ半分では自分の心の反応をある意味、客観的に見るようにする。
心がムダな反応をしないように見守る役目をします。
なお、ムダな反応をしないということは決して無理して我慢したり、事象を無視することではありません。
イラッとするなど反応をしそうになっても、あるいはしてしまってもすぐにリセットしてもとに戻そうという考え方です。
If-Thenプランニングで実践
「ムダな反応をしない」というように、何かをしないというのは習慣にしづらいです。
そこで、イラッとしそうになったら◯◯する、というように何かをする、というように目標達成の切り札である「If-Thenプランニング」の手法を活用します。
If-Thenプランニングは、Columbia大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のHeidi Grant Halvorson教授の著書である、「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」」で紹介されている目標達成手法です。
①(if)もし、Xだったら、②(then)Yをする というように、どんな行動するかを事前に具体的に決めておくものです。
ダイエットからフィットネス、そして交渉から時間管理に至るまで、これまでの何百もの研究成果の蓄積から、はっきり分かったことがあります。
それは「どんな行動をするかを事前に具体的に決めておく」ことで、それが実行される確率が高まるということです。
ただ決めるのではなく、事前に「いつ」「何を」やるかをはっきりと決めておくーこれで実行できる確率は2倍から3倍も高くなります。
例えば「16時になったら、何があっても、今日書けるべき電話はすべてかける」といったように決めるのです。
if-thenプランニングを利用して、例えば、
①(if)もし、職場で嫌なことを言われて頭に来たら、
②(then)私は30秒深呼吸をして、冷静な対応をする。
と事前に決めておきます。
他にも満員電車の場面でも
①(if)もし、満員電車で人に押されてイラッと来たら、
②(then)私は、背筋を伸ばして姿勢を正す。
このようなプランを作ることができます。
このように冷静な対応や背筋を伸ばすなど「反応しない練習」を繰り返すことで、無意識にムダな反応をしないということが習慣化できます。、
おわりに
このように反応をしない、と心に決めて、それを繰り返していくと周りの小さな事にいちいち反応してイライラしたり、動揺したり、腹が立たなくなるのでおすすめです。
周り人やモノから頻繁な影響を受けてエネルギーを浪費することなく、自分の心の中の平和を保ち、自分のことにエネルギーを注ぐことができます。
また、本書はAudible版もあります。
歩きながら、あるいは走りながら聴くと何回も聴くことができ、理解が深まります。
歩いたり動いていると、考えが活性化するようで、自分はどうなのか、自分ならどうするかと思考が深まるのでおすすめです。
audibleは無料体験できますので、興味のある方はお試しください