
はじめに
ノートはやはり紙がよいというアナログ派でしょうか。
あるいはノートアプリ、Apple Pencil等を活用したデジタル派でしょうか。
長い間、デジタルノートと紙のノートを行ったり来たりしています。
メインはOneNote, Evernote, Noteshelfなどのデジタルノート、ロイヒトトゥルムA6サイズのミニノートを補助として利用する使い分けのスタイルにおおよそ落ち着いています。
紙のノートとデジタルノート、いずれもメリット・デメリットがあります。
紙とデジタルノートを比較する10のポイントを紹介します。
- 紙はクイックに書ける・開ける
- 紙は記憶に残る・思考が深まる
- 紙は自由に書ける・描ける
- 紙は多くの情報を一覧できる
- 紙は静かでいつでも使える
- デジタルは編集・修正できる
- デジタルは写真や資料などを取り込める
- デジタルは大量の情報を収容でき、重くならない
- デジタルは読みやすい、振り返りしやすい
- デジタルは検索できる
紙ノートの5つのメリット

クイックに書ける・開ける
ノートとペンがあればすぐに書けます。
常に机の上にロイヒトトゥルムA6を開いています。
また、おおよそ場所を覚えていれば、パラパラとめくればすぐに所望のページを開くこともできます。
付箋等でインデックスをつけておけば、さらに速くアクセスできるようになります。
薄くて軽いミニマリズムなメモ帳、アブラサス「保存するメモ帳」であれば常に携帯しておき、さっと取り出してメモすることもできるでしょう。

一方、 デジタルの場合、デバイスのロックを解除してアプリを開き、参照したいページや、書きたいページに移動して、というステップが必要で手間がかかります。
検索も適切なキーワードを入れないと、目的のページにたどり着くまで手間取ることがあります。
紙のほうが圧倒的に速いです。
記憶に残る・思考が深まる
手で書くことで記憶に残りやすいし、書きながら思考が深まります。
デジタルノートへのタイピングでは思考が深まる感覚は得られません。
以下の記事では、手書きとタイピングの記憶に関する比較結果が紹介されています。
アメリカ・プリンストン大学のMuller教授とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)Oppenheimer教授は、ラップトップPCに打ち込んで記録する場合とノートにペンで書く場合の比較を行いました。
実験内容は、あまり一般的に知られておらずかつ視聴者の興味を引くであろう内容のTED(15分程度)5本を、参加者である大学生が視聴するというもの。
この実験により、ラップトップに記録した生徒に比べ、ノートに記録した生徒のほうがよりよく内容を覚えており、かつ試験結果が良かったとわかったのです。
<手書きvs.タイピング> メモをとるならどっちが効率的?ーアメリカの研究をもとに
自由に書ける・描ける
紙のノートは、図や記号などが自由自在に描くことができます。
あるパートと別のパートを線をひっぱって結びつけたり、重要ポイントを赤丸で囲んだり、自由に描くことができます。
文字のフォントサイズを気にすることなく、重要なポイントは大きな文字で書いたり、補足的な情報は小さな文字で書くことも簡単です。
用紙の端、真ん中、描く場所は紙の上である限り自由です。
自由に書きたいときにはA5サイズのロイヒトトゥルムがいいでしょう。
デジタルノートの場合、図形を書く場合には図形を書くモードを選択したり、操作が煩雑です。
文字を大きくする際にはフォントの設定を変えたり、線を引くにも直感的な作業にはなりません。
脳の負担が少なく、自由に書ける、描けるのは紙のノートでしょう。
多くの情報を一覧できる
ノートの用紙サイズに依存しますが、ページの見開きの情報全体をパッと見ることができます。
新聞と同様に、大量の情報の構造や見出しを素早く把握するには紙のノートが有利です。
ページ送りも素早くでき、ノートのだいたいどのあたりかを把握していればページをパラパラとめくって目的のページへ素早く移動できます。
多くの情報を扱うのであればノートが2つ入るシステミックが便利です。

デジタルノートの場合、表示される情報量は画面サイズに大きく制約されます。
バッテリ駆動のため、画面表示もしばらくすると消えるという制限もあります。
さらに、スクロールしたり、ズームしたりという操作が必要となり、煩雑になります。
ページ送りもできますが、紙のノートに比べるとそれほど使いやすくはありません。
静かでいつでも使える
打ち合わせやインタビューなど、誰かと話しているときにメモをとる際、紙のノートが静かで良いです。
ロイヒトトゥルムはコンパクトでデザイン性もあり、人前で使えるノートです。

Apple Pencil等でのデジタル手書きの場合、ペン先が画面にあたる音が若干します。
キーボードでタイプする場合は、カチャカチャと大きな音がなってしまうため、注意が必要です。
さらに紙は、バッテリ駆動ではないので、いつでも読み書きできます。
デジタルノートの場合、バッテリが切れたり、充電を忘れた場合、利用不能となります。
1つのデバイスが電池切れで使えなくなったとしても、別のデバイスでノートを使えるようにバックアップしておく必要があります。
また、デジタル手書きノートの場合、Apple Pencil やデジタルペンシル等を持ち歩く必要がある点も若干、面倒です。

デジタルノートの5つのメリット

編集・修正できる
デジタルノートの場合、簡単に文章や構成を編集できます。
書き間違えてもすぐにデジタル消しゴムで消して書き直すことができます。
コピー・ペーストで書いた内容を再利用することができるため、同じような内容を複製することも簡単です。
また、ノートを書いていて、ある部分を前後左右に移動させたいという時がよくありますが、なげなわツール等を使って選択して、任意の場所に移動させることができます。
OneNoteは大きなキャンバスに手書きやテキスト文字を混在でき、自由に編集できます。

紙のノートの場合、フリクションペン等を使えば消すこともできますが、多少跡が残ることがあります。
利用するペンの選択肢が狭まり、お気に入りのペンを使えないという制約もあります。
デジタルの方が圧倒的に編集作業は便利です。
写真や資料などを取り込める
デジタルノートであれば、iPhoneで撮った写真やネットの画像、スキャンした資料など様々なデータをノートに取り込むことも簡単です。
写真や資料に注釈やコメントなどを書き込むこともできます。
Noteshelfを使うと写真やスキャンした資料に手書きでメモを書くことができます。

紙のノートでもコピー機で資料や写真をコピーし、切り貼りしてノートに添付することもできますが、面倒な作業です。
大量の情報を収容でき、重くならない
デジタルノートには、たくさんの情報を入れても重さは変わりません。
打ち合わせのメモ、プロジェクトの進捗、日誌など様々な情報をノートに書き込み、保存することができます。
紙の資料等もスキャンして、Evernoteに入れておけば、なくなることはありませんし、いつでもアクセス可能です。

紙のノートの場合、多くの情報を持ち歩こうとすると、ノートのページ数やノートブック自体を増やす必要があります。
重くかさばるという問題が生じます。
容量の大きさはデジタルの強み。1ヶ月前、半年前、1年前の情報も持ち歩くことができます。
また、クラウドにバックアップしておけば、仮にスマートフォンやタブレットを紛失してもノートのデータはクラウドにあるため安心です。
読みやすい、振り返りしやすい
紙のノートに殴り書きした文字、後で読めずに困ったということがないでしょうか。
何が書いてあるのか分からない時になんとか解読しようと試みますが、時間のムダです。
デジタルでなぐり書き的にタイピングした文字は、誤変換、誤字などあったとしても、読めないということは、ほとんどありません。
さらに、様々な色の蛍光ペンを使ったり、カラフルなペンを選んで下線をひいたり、振り返りしやすいようにノートをデザインすることもできます。
検索できる
デジタルノートの場合、検索のためのキーワードを入れることで、容易に目的のページを探すことができます。
特に過去の情報を参照する場合に検索機能は威力を発揮します。
ノートをあまり整理しなくても、とにかくEvernote, OneNoteにノートを入れておけば後で検索して情報を引っ張り出すことができます。

紙のノートで、ノートのどこかに書いたが、どのあたりのページか分からないという場合、ページをめくって探す必要があり、結構大変です。
さらにはたくさんあるノートブックのどれに書いたのかも分からないという場合、探し出すのは非常に困難です。
まとめ
紙のノートとデジタルノートを比較する10のポイントを紹介しました。
- 紙はクイックに書ける・開ける
- 紙は記憶に残る・思考が深まる
- 紙は自由に書ける・描ける
- 紙は多くの情報を一覧できる
- 紙は静かでいつでも使える
- デジタルは編集・修正できる
- デジタルは写真や資料などを取り込める
- デジタルは大量の情報を収容でき、重くならない
- デジタルは読みやすい、振り返りしやすい
- デジタルは検索できる
自分にとってはデジタルノートの「編集できる」、「軽い」、「読みやすい」の3つのメリットが大きく、デジタルノートをメインにしています。
ただし、使い分けは必須。
アイデアを出したり、誰かと話をしているときは、紙のA6ノートを利用しています。
デジタルとアナログを上手に取り入れて自分のノートスタイルを作り上げましょう。